この本の最大のよいところ、それは・・・車椅子, 杖, 手すりなどを使うと楽に動作ができる。実際にそうなんだが、なぜ楽になるか?それに対しての答えがある。
学生の時から思っていたこと、それは、立ち上がりの際に足を後方に引く、太ももに手を置くと立ちやすい、歩行練習は平行棒から、階段を上るときは手すりを引く、一足一段よりも二足一段で・・・これらは、場合によっては間違いではないが、そうするとなぜ良いのか、どうして動作が楽になるのか。ずっとよくわからなかった。そんな中、本屋で立ち読みして感激してしまった。
介助にいかすバイオメカニクス [ 勝平純司 ]は介助方法を楽に行うためのというよりかは、身体動作のバイオメカニクスについて述べている。立ち上がりと着座、歩行、階段昇降、移乗、車いすについて、太ももに手をついて立つなど教科書にはないが、よくやっている動作や杖, シルバーカー, 手すりなどの道具を使用したときにどういったことが起こるから動作が楽になるのか?を反力や重心の位置, 関節モーメントを交えて説明してくれています。もちろん物理学が苦手な方でも大丈夫なように見開き左側に文章による説明、右側に動作の人型が記載され、反力や重心位置を図示してくれているので、わかりやすい。感じとしては、日常生活活動のキネシオロジー [ デーヴィド・ポール・グリーン ]に似ているかな。
ちなみに・・・
介助ベルトは誰が装着するかわかります? 介助者?それとも対象者? もし、対象者だろ!!と思った方は、一度この本を読んでみても面白いと思う。意外な使い方があるよ。
当たり前だと思っている動作ほど、実は詳しくは説明できなかったりしたので、実習生さんに説明する為に利用しています。同じように感じている方の参考になれば幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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