病気になる前の歩き方を想像し、目標を立てる

発症前の歩き方を把握せずに、歩行の安定性向上を目標に掲げている人もいる。

だが、解剖学書のように理想的な筋、骨、靭帯の人はいないわけだし、生活している中で姿勢も変化しているので、発症前の歩容はみんな異なっている。膝が悪くても、円背でも歩けていて、転倒することなく安全に生活できていたのだ。それはつまり、教科書的な歩容から逸脱していてもそれまで生活ができていたので、安定した歩容と言ってもよい。

例え、タンスや下駄箱などの支持物を利用しながら歩いていたとしても、転倒するとなく生活できていれば、安定した歩行なのだ。

実習生さんや新人の理学療法士の場合、目標は教科書的な歩容を想像し、目標にあげがちだが、本当に在宅復帰をするためにまず必要な目標とは上記に記載した発症前の歩行なのだ。
 
 
発症前の歩行を想像するコツとしては、

・外反母趾⇒母趾への荷重が少ない
・胼胝の位置⇒圧が集中している
・靴のすり減り具合⇒靴の外側がすり減っているのであれば、O脚での歩行であった可能性あり
・踵骨の回内外の具合⇒過剰な回内がある場合、O脚であることが多い
・踊りを踊っていたか⇒内股の歩行であった可能性が高い。
 
 
究極的には、最近は動画をとることが増えてきているので、ご本人様に動画を見せてもらうのが一番手っ取り早い。あるいは写真で姿勢を確認し、歩容を想像するって手もある(お孫さんと写真に写っている写真が大抵あったりする)。

理学療法士歴: 10年目

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