トップ販売員のルール (Asuka business & language book) [ 成田直人 ]の中で、販売する商品が、高いか、安いかはお客様が決める事という一説を読んでいて、装具の値段が高いか?安いか?について思う所をまとめてみたいと思います。
金属支柱付き長下肢装具の値段は高いか?安いか?
脳卒中で入院した時、麻痺が重度であり、早期から座位や立位練習ができない場合、金属支柱付き長下肢装具が必要な事が多いです。
金属支柱付き長下肢装具を作成すると、値段は15~25万円程度が必要です(加入されている保険へ申請すると9割か7割返還されます)。
社会人や理学療法士にとっては、15~25万円は一ヵ月の給与に相当する値段かもしれません。
なので、理学療法士としては、高額に感じるので、金属支柱付き長下肢装具作成の提案を躊躇しがちです。
装具の値段が高いか?安いか?は、ご家族様や患者様が装具のメリットとデメリットを理解した上で、高いか?安いか?を決める事です。
医療者が高いと判断し、作成を提案しない場合、その先の選択である「ご家族様やご家族様が装具を作成するか、しないか」の選択を奪ってしまいます。
ですから、理学療法士は、装具作成について提案をする必要があります。
(*装具作成には、医師の処方が必要です。患者様やご家族様に提案する前に医師の装具作成の指示がなければ理学療法士から医師に説明し、医師の同意を得る必要はあると思います。)
ここら辺の所の厳密な部分は、こちらを一度確認して欲しいと思います。
装具作成に関する私見(主にメリット)
私見というか、理学療法士なら同じような意見の気がしますが・・・
脳卒中治療ガイドライン2015によると、十分なリスク管理のもと、早期から座位・立位、装具を用いた歩行訓練は日常生活動作向上と社会復帰を図る上で重要であると推奨されています。
早期から金属支柱付き長下肢装具を購入し、立位・歩行練習をする方がメリットが大きい(現在は薬と同じと考えられている程です)と考えられます。
なので、作成する方が良いと思います。最終的な負担額は、1.5~2.5万か4.5~7.5万ぐらいになります(詳しくは義肢装具士から説明があると思います)。
理学療法士歴: 10年目
参考文献
・日本脳卒中ガイドライン委員会(2015)『脳卒中治療ガイドライン2015』協和企画.
・『脳卒中治療ガイドライン2015』〔追補2019対応〕
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