チームアプローチにふさわしいSOAPの書き方とは?

理学療法士の実習生さんや新人さんのSOAPにあるのだが、

SOAPのA, Pには筋力,ADLなどの治療に関する事だけを書く

と思っていないだろうか??
 
 
例えば、この書き方って適切だろうか?

S)少しでも早く家に帰りたいです
O)
・股関節周囲の筋力は、徒手筋力検査で屈曲4, 伸展3, 外転3
・膝関節周囲の筋力は、徒手筋力検査で伸展4, 屈曲3
・1kg重錘負荷での下肢筋力増強練習を10回×3セット。実施後Borgスケール7
・シルバーカー歩行は、ふらつきあり、監視
・伝い歩きは、自立。
・自宅内環境は、手すりのない環境あり⇒住環境調査済み
・下肢筋力増強の自主トレーニングとして、膝関節伸展、スクワットのフォームを指導
・ADL はFIM認知項目 満点。FIM運動項目は、各項目5~6点
・介護度は要介護1
A)下肢筋力低下が認められ、シルバーカー歩行が不安定となっており、MMT4までの筋力改善が必要と考えられる。
P)筋力増強を継続する。

 
 
どうだろうか?

内容を読んでみる限りでは、SOAPとしては、成立している。
 
 
しかし、ちょっと待って欲しい。

S, Oをよく読むと、実は、手すりを住宅改修で設置する事で自宅へ退院できる可能性がある。

そこで、

A)早く帰宅したいと希望や伝い歩きが自立である事を考慮すると、手すりを住宅改修で設置する事で退院できる可能性があると考えられる。ご本人様とご家族の希望を再確認し、ケアマネージャーと手すりの設置を相談し、設置可能かを確認する。
P) ご本人様とご家族の希望の確認。ケアマネージャーと連絡をとり、相談・確認する。

こうでもよいのである。
 
 
住宅改修に関する詳細は、理学療法士としては専門外なので、住宅改修の事で直接的な介入はできない。そこで専門外の内容は、その分野に専門性のあるケアマネージャーと相談・確認します。こういう風に理学療法士以外の職種に頼るSOAPの書き方もかまわない。
 
 
新人さんや実習生さんは、この他の職種に頼るという視点が抜けやすい。

リハビリテーションは様々な職種が関わるチームアプローチなので、自分の専門性ではない領域に関しては、他の職種に依頼や相談にのってもらうという事も大事であり、その内容をSOAPのA,Pに書いても良いのである。

この視点でSOAPを書くと、より患者さんの事を考えた良いSOAPを書くことができると思います。

*私が理学療法士の実習生だった時や新人だった時は、こんな事まで考えられなかったので、このようなSOAPの書き方が出来ていなかったのが正直な所ですが・・・・上手く言いたい事が伝わったかしら??

理学療法士歴: 10年目

この本を参考にして書きました。

 
 
理学療法士にはこちらの方がわかりやすく、書きやすいかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました