脳卒中後の鉤爪趾変形(claw toe)とは。槌趾,マレット趾とは違うの??

「鉤爪趾変形(claw toe)になると何が困るの?

「鉤爪趾変形って足趾のどの関節が曲がってるの?

「槌指やマレット趾とはどこが違うの??

と思った事がありませんか??

そこで、鉤爪趾変形(claw toe)を骨模型で解説をし、よく似ている足趾の変形である槌趾,マレット趾との違いを説明しようと思います。

鉤爪趾変形(claw toe)とは

鉤爪趾変形(claw toe)とは、脳卒中後の足趾の変形の一つです。

中足趾節関節(MTP)の過伸展,近位趾間節関節(PIP)の屈曲、遠位指節間関節(DIP)の屈曲した変形です。

鉤爪趾変形(claw toe)がなぜ問題となるのか?

鉤爪趾変形(claw toe)が生じると、歩行中に足趾が曲がってしまって、足をついたときに足先が過剰に圧迫されて痛くなる。室内では靴を履かない事も多いので、室内移動が痛くなりやすい(特にフローリングで痛い)。

変形が強いと足先が痛くて外出もしたくなくなるというとても厄介な変形です。変形というよりは、運動時に足趾が握り込んでくるという表現がわかりやすい気がします。

*詳細はあまりわかっておらず、資料も少ない。中枢性疾患で生じやすく、足底に加わる刺激で反射的に足趾、足部の凹足化と内反を引き起こす反射。原始反射の抑制ができなくなると生じるとの説もあります。

槌趾,マレット趾との違い

よく似た変形の種類で以下の種類があります。

槌趾(hammer toe):MTP過伸展、PIP屈曲、DIP伸展の変形

マレット趾(mallet toe): DIP関節のみ屈曲の変形

まとめると、こうなります。

変形 MTP関節(MP関節) PIP関節 DIP関節
鉤爪趾 過伸展 屈曲 屈曲
槌趾 過伸展 屈曲 伸展
マレット趾 変形無し 変形無し 屈曲

「鉤爪趾」の読み方(おまけ)

鉤爪趾」の読み方ってわかりますか?

鉤爪」は「かぎづめ」と読みます。
 
 
」の読み方は調べてみましたが、今一つわからない
 
 
」は、訓読みで「」、音読みで「あし」,「あと」,「ねもと」なので、「シ」なのかな??

*私は、「かぎづめゆび」だと思っていましたが、調べてみて間違って読んでいるなと思いました。

参考文献

・田中正一ほか:脳卒中後槌趾変形に対する紐型装具,日本義士装具学会誌,9(4):433-435, 1993
・近藤和泉ほか:脳卒中患者の立位バランスと痙性抑制装具,日本義士装具学会誌,11(2):121-125,1995
・檀辻雅広ほか:脳卒中片麻痺患者の歩行時における足趾の形状変化の実態,理学療法学,20(8),1993
・竹川徹ほか: かぎ爪様趾に対する長拇趾屈筋や長趾屈筋へのボツリヌス毒素施注時の注意点, Jpn J Rehabil Med 2015 ; 52 : 615-620
 
 

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