入職してから5年目、回復期リハビリテーション病棟に所属してから5年目
もうずいぶんと経ちました。
最近、ふと思う事は、目標の立て方が年々少しずつ変わってきたなと思う事。
いつも重症な患者さんを担当させていただいた場合、早期離床をまず考えます。
ここは、今も同じ考え方なのは変わりません。
ところが・・・そこに至る過程がちょと違います。
・学生時代では、目標として「基本動作の介助量の軽減」とか「基本動作の自立」とひどく安易な目標を立てていた気がします。
・入職して間もない時は「基本動作の軽介助~見守り」と少し具体的に介助量を設定していたと思います。
・理学療法士歴2,3年目の時は、「寝返り、起き上がり、立ち上がり、移乗の中等度介助~軽介助」となっていたように思います。介助量が多くてもいいから、とにかく全体的に介助量を減らす事、そうすれば離床が図れると思っていたと思います。
そして、
現在は、「立ち上がり、移乗の軽介助」になっています。
何故そうなったのかな?と思い起こすと、たぶんこういう理由でしょう。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が介入するだけでは離床は図れません。
私の場合、睡眠時間は7時間なので・・・一日のうち17時間は起きています。
しかし、基本動作が全介助の患者さんの場合、起きている時間は少なくなりやすいです。
理学・作業・言語聴覚療法で起きている時間は、最大3時間。
それ以外の時間の離床を図ろうとすると、患者さんが起きるのを誰かが手伝う必要があります。
理学・作業・言語療法士が起きるのを手伝うこともありますが、看護師、介護福祉士さんが手伝うことも多いです。
どこの病院でもそうかもしれませんが、看護師、介護福祉士さんはとても忙しいです。食事の準備、おむつの交換、ナースコールの対応などいつも走り回っている印象です。
そういう多忙の中で、離床のための依頼を療法士が行っても、基本動作が全介助の状態では、介助量が多く、なかなか離床の機会が図れないことが多いです。
では、基本動作のどこの介助量が減れば、離床の機会が増加するかと考えますと、
○寝返り ⇒ 介助方法によっては介助量は意外と少ない
○起き上がり ⇒ たいていは背上げができるベッドを使っているので、
頭側を上げれば介助量が少ない
○座位保持 ⇒ ベッドではL字バーにもたれることができれば介助量は少ない
○立ち上がり、移乗 ⇒ 立ち上がり、方向転換に介助量が増えることが多い。
立ち上がりは座面を高くすると介助量は減少するが、
ベッドから滑り落ちてしまうリスクが高くなる。
特に体重が重い患者さんの場合、小柄な介助者では立ち上がり・
移乗の介助量は増加する。
なので、
立ち上がり、移乗の介助量が「自立や見守り」でなくても「軽介助」ぐらいであれば看護師さんや介護福祉士さんが離床のお手つだいを行ってもらいやすい。
こういう理由で、
早期離床の為に今は「立ち上がり、移乗の軽介助」が早期の目標
となっています。
賛否両論あると思いますが、現状ではこのような考え方となっています。たぶん、数年するとおかしいだろ!!と自分で言っているかもしれません。
理学療法士歴: 5年目
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