足部内の立方骨の位置と傾きの程度

足部内での立方骨の位置や傾きの程度ってご存じですか?

実はこれ、ほとんど情報がないのである。

そこで、足部の中の立方骨の位置と傾きの程度について、足の骨模型を利用して調査してみようと思います。

動機


立方骨の底面の形

立方骨サポート理論に基づいたインソールみたいな物を作成しようと思った時に手持ちの足の骨模型を見ていて思った。

足部の中で立方骨は傾いているのに、足底にはフラットなインソールを入れるのは変じゃないかな??圧が集中して問題が発生しないか??

では、実際に立方骨は足の中でどうなっているのだろうか??ってわけ
 
 

作ろうかな??と思っていたインソール(アーチパッド)
 
 
でも、↓のような形状がいいんじゃないかな。

立方骨の位置は足底の軟部組織の厚さを考える必要がある


インソールを作成する時に、自立した骨模型の立方骨の位置と傾きがわかっても意味がない。

なぜなら、足の骨模型には足底の軟部組織がないので、足底の軟部組織の厚さによっても立方骨の位置と傾きは変化する。

そこで、踵骨の下の軟部組織の厚さを調べてみる。
 
 

壇らの報告を参考にして計算すると、踵骨隆起の内側突起下端と外側突起下端から床までの静的立位姿勢での距離は、おおよそ1.00cmと1.55cmであった。
 
 

そこで、足の骨模型を上記に合わせ、踵骨の下端から床までの距離を調べると0.5cmだった。踵骨の下に厚さ0.5cmのポロンを引っ付けたが・・・・

が・・・


支えていた手を離すと、足の骨模型はあっさりとひっくり返った。

というのは、


踵骨の下だけに軟部組織の代わりを挿入しても、第1中足骨頭と第5中足骨頭の下には何も挿入していない。このため、足の骨模型は傾いてひっくり返ったのだ(軟部組織の厚さを考慮できていなかった)。
 
 

そこで、この部位の軟部組織の厚さを調べてみたが、文献はなかったので、踵骨の下の軟部組織の厚さ0.5cmを第1中足骨頭と第5中足骨頭の下に取り付けると骨模型はひっくり返らなくなった。

【文献】
・壇順司, 高濱照: 踵骨隆起の形態と骨支持点について.日本理学療法学術大会,2014

足部の軟部組織の厚さを考慮した時の立方骨の位置

足部の軟部組織の厚さを考慮した時、立方骨の位置はこうなった。
わかりやすいように書き込みをしています。


足底から見た図


外側から見た図


内側から見た図


後方から見た図
(この図は極めて少ないので参考になると思います)

足部の軟部組織の厚さを考慮した時の立方骨の傾き


上記画像から角度を測ると、足部の軟部組織の厚さを考慮した時の立方骨の傾きは、23.7°傾いている事がわかった。

ということは、立方骨をサポートするインソールを作るには、立方骨が23.7°傾いている事を考慮して作る必要がある。

測定に利用した骨模型

今回、測定に使用したのは、このmonolifeの足模型(右)です。

立方骨サポートとアーチ高率に基づくインソール作成(まとめ)

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