ここでは、立方骨サポートとアーチ高率に基づくインソールで最も重要な
インソールの高さの決定方法
を解説します。
計算式が沢山あるとややこしくなるので、まずは足長26.5cmでの制作過程から解説していきます(右のインソールを作成しています)。
インソール高さの決定
実際の作成過程(足長26.5cmの場合)
まずは、足長26.5cmの場合のインソール高さの決定方法について解説します。
理想的な舟状骨高の計算
理想的なアーチ高率から理想的な舟状骨高を計算で求めます。
アーチ高率は0.15以下で扁平足傾向で、0.20を超えるとアーチが高いとされているので、ここでは、理想的なアーチ高率は間をとって0.175に設定します。
アーチ高率=(舟状骨高/足長)
で求められます。
ですから、足長26.5cmでは、
0.175 = (舟状骨高/26.5cm)
舟状骨高 = 0.175 × 26.5cm
となり、
舟状骨高 = 4.64
となります。
以上から、
理想的な舟状骨高は、4.64cmであることがわかります。
実際の舟状骨高の測定
右下肢へ荷重して、舟状骨結節の高さ(舟状骨高)を調べます。
見ていただくとわかるようにおおよそ、実際の舟状骨高は4cmとなっています。
インソールの高さ決定
理想的な舟状骨高 = 4.64cm
実際の舟状骨高 = 4.00cm
なので、実際の舟状骨高は、低いことがわかります。
そこで、実際の舟状骨高である4cmからインソールを挿入して4.64cmになるようにします。
成功した方法
前回の方法でポロン3枚でこういう形を作ります。
次に、インソールを両面テープを使って貼り付けます。
次に、貼り付けたインソールにどんどんとNRゴムシートを追加して舟状骨高が4.64cmになるように調節します(使用したNRゴムシートは下に説明しています)。
最終的な完成品はこちらになります。
結局の所、どれだけ素材が必要だったか?というと
3mmのポロン(3枚)+3mmのNRゴムシート(1枚)+1mmのゴムシート(1枚)
が必要でした。
今回、使用したNRゴムシートはこちらの3mmと1mmの素材を使用しました。安価でどこのホームセンターでも手に入り、かつ硬めの素材を探した結果です。
商品名: NRゴムシート
ブランド: 和気産業(waki)
型番: GS-10
サイズ: 150×150(縦×横mm)
厚さ:3mm
材質: 黒天然ゴム系
商品名: NRゴムシート
ブランド: 和気産業(waki)
型番: GS-06
サイズ: 150×150(縦×横mm)
厚さ:1mm
材質: 黒天然ゴム系
失敗談
普通はポロンをどんどん積み重ねていくと、徐々に舟状骨高は高くなるように思いますが・・・実は4.2cm付近からあまり高くなりませんでした・・・で、結局の所どうなったのか?と言うとポロンだけを重ねると・・・
とんでもなくインソールが高くなって靴に入れると3cm近いインソールが挿入されるという事態になってしまいました。
そういう事で、ポロン+硬めの素材でインソールの高さを低くする必要があるとわかりました。
ポロン+NRゴムシートで作成したインソール(左)とポロンのみで作成したインソール(右)の高さの比較。左の方が圧倒的に低くて理想的なのがわかるでしょう。
完成したインソールの原型
最終的に完成したインソールの原型です。
*後々にわかった事ですが、このサイズを急に靴の中に挿入しては、足がとても痛くなります!!その対策はこちらでやっています。
自分の足のサイズのインソールの高さを決定するには??
先ほどの説明したのは足長26.5cmの場合の作り方です。足長26.5cmの所をご自分の足長に置き換えて作成していただければと思います。
使用した素材
使用した素材は、ポロンとNRゴムシートになります。NRゴムシートはホームセンターで安く手に入ると思います。
使用したポロン
NRゴムシート(GS-10, 厚さ3mm)
NRゴムシート(GS-06, 厚さ1mm)
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