立方骨サポートとアーチ高率に基づくインソールの作成を開始する前に、実際にインソールの設計図を作成してみましょう!!
ここでは、設計図の具体的な作り方の説明を行っています。
*ここでの話は右のインソール作成を考えています。
参考にした骨模型
今回、インソールの基準としたのは、このmonolifeの足模型(右)です。
足長は21cmとなっています。
事前の測定が必要な部位
実際に測定する必要がある部位は、
足長
だけです。
インソールを作成する対象者の足長を測定しておきましょう!
インソールの設計図作成
立方骨サポートとアーチ高率に基づくインソールは、こういう風なインソールを考えています。
インソールを上方から見た図(右用)
インソールを後方から見た図(右用)
図を見ていただけるとわかるように、
・足模型の立方骨を足長で補正して作成する部分
・アーチ高率から作成する部分
からなっています。
これを合成して立方骨サポートとアーチ高率に基づくインソールの設計図とします。
足模型の立方骨を補正して作成する部分
足模型の立方骨を補正して作成する部分について、設計図の作成過程と実例で説明します。
作成過程
上方から見たインソールの設計図と後方から見たインソールの設計図の二つにわけて説明していきます。
上方から見たインソールの設計図の作成過程
まずは、骨模型を基準にして上方から見たインソールの設計図を作成するとこうなります。
インソールを上方から見た図(右用)
この骨模型は、足長21cmなので、これを補正する必要があります。
各辺に (測定した足長)/21cmをそれぞれ掛ける事で算出できます。
例えば、この図の1.2cmは、測定した足長が、26.5cmの場合、
1.2cm×(26.5cm/21cm)
で計算して、1.51cmとなります。
ここでは1.5cmとします。はっきり言って、0.01cmの長さで素材は切り取れないので・・・
後方から見たインソールの設計図の作成過程
同じように骨模型を基準にして後方から見たインソールの設計図を作成するとこうなります。
インソールを後方から見た図(右用)
この各辺に(測定した足長)/21cmを掛けて算出します。
ここで重要なのは、あくまで骨模型を基準にして作っているので、立方骨直下の軟部組織の厚さが計算されていない事です。そこで、計算の後に、0.5cmを引きます(ややこしいので実例を参考にしてください)。
実例(足長26.5cmの場合)
では、実際に実例に基づいて設計図を作成していきましょう。
上方から見たインソールの設計図の作成過程
足長26.5cmで考えると、足長26.5cmでは、先ほどのインソールの上方から見た図の各辺に(26.5cm/21cm)を掛ければよいので、
インソールを上方から見た図(右用, 足長26.5cm)
このようになります。
後方から見たインソールの設計図の作成過程
同じように、先ほどの後方から見たインソールの図に(26.5cm/21cm)を掛けると、
インソールを後方から見た図(右用,足長26.5cm)
このようになります。
ここから立方骨直下の軟部組織の厚さ0.5cmを引きます。
*ここの0.5cmの根拠は少ないです。この内容に合わしています。
アーチ高率から作成する部分
次に、アーチ高率から作成する部分について、設計図の作成過程と実例で説明します。
作成過程
アーチ高率から作成する部分では、長さのわからない部分があります。それは、この図で説明するとBの長さです。
インソールを後方から見た図(右用)
インソールの高さは、A + B + Cです。
それでは、A,B,C,D,Eを算出していきましょう!
立方骨直下の軟部組織の厚さ(E)の算出
Eは、立方骨直下の軟部組織の厚さを指しています。軟部組織の厚さはわからないので、以前と同じように0.5cmとしておきます。
E = 0.5cm
Aの算出
Aの高さは、足模型の立方骨を補正して算出した高さ(A+E)から、Eを引いた長さとなります。A+Eは、骨模型を参考にして足長で補正して算出します。
A + E = 1.4cm × tan23.7°×(足長/21cm)
*(足長/21cm)は先ほどと同じ理由で骨模型を補正する時に必要な数字です。
1.4cm × tan23.7°の意味はこちらで説明しています。
なので、
Aは、
A = 1.4cm × tan23.7°×(足長/21cm) - E
= 1.4cm × tan23.7°×(足長/21cm) - 0.5cm
となります。
足部の軟部組織の厚さ(C)の算出
足部の軟部組織の厚さ(C)は、0.5cmとしています。
0.5cmにしている理由はこちらです。
舟状骨高(D)の算出
舟状骨高(D)の算出となります。
アーチ高率は、0.2以上でアーチが高く、0.15以下では扁平足傾向となるので、今回は、0.175に設定して計算します。
舟状骨高(D)は、
D = 0.175 × 足長
アーチ高率の話は、こちらでしています。
Bの算出
Bを算出する方法はありません。実際に測定します。
実例(足長26.5cmの場合)
足長が26.5cmの場合は、
A = 1.4cm × tan23.7° ×(26.5cm/21cm) - 0.5cm
C = 0.5cm
D = 0.175 × 26.5cm
B = ?cm
となり、計算すると
A = 0.3cm
C = 0.5cm
D = 4.6cm
B = ?cm
という事になります。
*Bは後から測定します。
インソールの設計図(右用まとめ)
では、全体をまとめてみると、
インソールを上方から見た図(右用)
インソールを後方から見た図(右用)
*Fの計算式は突然出てきたように思えますが、足模型の立方骨を足長で補正して作成する部分の作成過程で説明しています。
インソールの設計図(左右完成版)
最後に、左右のインソールの設計図の完成版をこちらに掲載しておきます。ただし、インソールを後方から見た図のBの値は別の記事で説明します(文字数が多くなりすぎるので)
右用のインソール
左用のインソール
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