足底の軟部組織の厚さを考慮に入れ、今度は、インソールの設計図を作成する時に必要な立方骨の大きさについて調べてみましょう。
測定に利用した骨模型
今回、測定に使用したのは、このmonolifeの足模型(右)です。
足長は21cmとなっています。
足底の軟部組織の厚さを考慮した時の立方骨の位置
立方骨を底面から見た構造
足底の軟部組織の厚さを補正して、立方骨を足底から見ると、こんな風になっています。
このままでは、わかりにくいので、こんな風に簡略化をしてみます。
では、計測していきましょう!
立方骨の角度
立方骨の角度と言うとわかりにくいですが、要は立方骨を多角形と考えた時の内角が何度か?という事です。無料のソフトウェアのGIMPを利用して各角度を測定していくと、下図のようになります。
*これを7角形とすると内角の総和は、本来は900°だが・・・測定した7角形の内角の総和は906°・・・誤差だと思ってください・・・
立方骨の大きさ(長さ)
次は、同じようにGIMPを使って、立方骨の大きさを測定をしていきます。すると、図で示したような大きさ(長さ)になります。
立方骨を後方から見た構造
軟部組織の厚さを補正して、立方骨を後方から見ると、こんな風になっています。
では測定していきましょう。
立方骨を後方から見た時の傾き
立方骨を後方から見た時の傾きは、GIMPで計測すると、23.7°になります。
立方骨を後方から見た時の大きさ(長さ)
立方骨を後方から見た時の大きさ(長さ)と言うのは意味がわかりにくいですが、下図のようなインソール(アーチパッド)の大きさを決定する時の横幅や高さという事です。
横幅の測定
横幅を測定する為に、後方から立方骨を見てみましょう。
インソールを作成する時に、知りたいのは、立方骨の平らな面がどこで、何cmなのか?です。これは青色の部分が該当し、1.2cmとなります。
また、立方骨の傾きのある部分はどこで、どれくらいの長さか?というと紫色で示している長さで1.4cmになります。
この青色の線は、底面から見るとこの青色の領域が該当します。この部分がほぼ平らになっています。
また、紫色の線は、紫色の領域で傾斜しています。
高さ
この高さは、まず、この図を見てください。
赤線と紫線、黄色線を結ぶと直角三角形になっています。
そこで、角度は23.7°なので、三角関数の正接(tangent)を利用して、
高さ = 1.4cm ×tan23.7
*tan23.7° = 0.4387
で、立方骨の高さは0.61cmとなります。
実際にインソールの高さについては別ページで解説しています。
立方骨の大きさの測定(まとめ)
さて、左右の立方骨の大きさの測定結果です。立方骨の大きさはこの図のようになります。
右の立方骨の大きさ
左の立方骨の大きさ
注意点
・あくまで足長21cmの骨模型を参考にして立方骨の測定を行っています。足長が21cmの人でなければこれを参考にしてインソールはできません(足長を参考にして比例計算すれば他の方も使えると思います)
・この測定には誤差が必ずあります。しかし、個人によって骨構造は異なっており、個人に適するようにインソールの微修正は行わないといけないので、大まかな数値として捉えていただければ幸いです。
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