インソール(足底板)の作り方には様々な考え方があり、これまで、入谷式足底板(基礎編) (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ) [ 入谷誠 ]を参考にして作ってきました(その時の記事はこちらです)。
色々なインソールの作り方を探しているうちに、立方骨サポート理論に基づいたインソール(BMZ)の論文を見つけたので・・・
今回は、
外側縦アーチサポートで立方骨の安定化をさせつつ、内側縦アーチのアーチ高率が成人男性の高さになるインソールを作成してみたいと思います。
*客観的な評価結果に基づき我流で作ってみようと思います。
評価方法
立方骨サポートとアーチ高率に基づくインソール作成に必要な評価方法について解説しています。
足長,足囲,足幅の測り方
アーチ高率の測定の方法
動的立位バランス評価
立方骨について
立方骨ってそもそも何なんだろうか??という事で解説していきます。
立方骨とは?(解剖学的な話)
立方骨の触診の方法
立方骨と足部のアーチ構造
立方骨の位置と傾きの程度
立方骨の大きさの測定方法
立方骨サポート理論とは
立方骨サポート理論とは、外側縦アーチの楔骨である立方骨をサポートする事で、足部の外側部を安定化、内側部の運動性を正常に機能させる理論です(ホームページを読んでまとめた感じではこういう印象。間違っていれば修正いたします)。
詳細は株式会社BMZのホームページをご参照ください。
今回作成する足底板は、立方骨をサポートしますが、立方骨サポート理論に基づいたインソール(BMZ)とは異なるのでご注意ください。
インソールの設計図作成
インソールの原型作成
では、インソールの大まかな形(原型)を作っていきましょう!!
インソールの原型作成
インソールの高さを決定
インソールの研磨と靴への挿入
作成したインソールの原型をグラインダーで研磨して、靴へ挿入していきましょう!!
インソールの研磨
インソールの靴への挿入
評価と経過
初期評価
まず、動的立位バランスをSEBTで測定して、初期評価を行ってみましょう。測定はインソールなしの靴で行っています。
右支持脚で左下肢の前方リーチは、58cm
左支持脚で右下肢の前方リーチは、55cm
インソール挿入直後
インソールを挿入した靴でSEBTを測定すると、
右支持脚で左下肢の前方リーチは、62cm
左支持脚で右下肢の前方リーチは、61cm
となり、リーチ範囲は増えたので、動的立位バランスの即時的な改善はあるのかも。
インソール挿入後13日目
インソール挿入後40日目
インソールの高さを中敷き2枚で下げていたので、中敷きを1枚取り外す。この結果、インソールの高さは、最初に作成した高さから2mm低い状態となった。
インソール挿入後55日目
歩行していると、立脚期に膝蓋大腿靭帯の内側に伸長ストレスが発生した。靴を使用したその日の夜に、靴もしようしなくても「ジンジンする痛み」が発生するようになる。一晩寝ると治っていたが・・・このため、使用を終了する。
*個人的には・・・コロナウィルス感染症の流行で外出や運動を自主制限していたので、廃用性の筋力低下が発生し、伸長ストレスが発生しやすい状態になったと考えている。
最終評価(55日目)
一応、インソールの効果を最終的に検証しよう!
インソールを挿入していない靴でSEBTを測定すると・・・
右支持脚で左下肢の前方リーチは、62cm
左支持脚で右下肢の前方リーチは、61cm
・・・初期評価よりも少し改善したように見えるが、たまたまの可能性が高いと思う。
まとめと感想
・今回、外側縦アーチサポートで立方骨の安定化をさせつつ、内側縦アーチのアーチ高率が成人男性の高さになるインソールを作成したが、上手く完成させることができなかった。
⇒自分でインソールを作成し、自分が挿入して使用すると、ビデオ撮影でもしない限り自分の歩容を確認する事はできない。今回はこれをさぼってしまったことが失敗の原因です。インソールを作成し、歩容でインソールの効果を確認。異常が見られたら、インソールの微修正を繰り返すという一連の作業がやはり必須です。
・今回作成したインソール使用したら膝蓋大腿靭帯に伸長痛が生じ、インソールを使用していないにも関わらず、夜にジンジンする痛みを経験しました・・・
この表現って実はよく肩,腰,膝の悪い方が言われることが多い。あのジンジンする痛みの原因って実は昼間にあるのかもしれないなと感じました。
注意点
立方骨サポート理論を参考にしていますが、作成する足底板は、外側縦アーチサポートで立方骨の安定化をさせつつ、内側縦アーチのアーチ高率が成人男性の高さになる足底板を作成するので、全く異なるものです。
BMZ cuboid balanceインソールとは異なりますので、御幣のないようにお願いいたします。