プラスチック短下肢装具を装着して歩行している方の動作分析をしている時、よ~く見ると、
荷重時にプラスチック短下肢装具が靴の中で傾いて動いてる??
と思った事はないだろうか。
ここでは靴の中で装具が傾かない方法として外側フレアをつけた時のお話をしてみようと思います。
*以下、右のプラスチック短下肢装具を想定して話をします。
靴の中で短下肢装具が傾く理由
原因としては、プラスチック短下肢装具の構造と考えています。
プラスチック短下肢装具はたいてい、この両端が丸くなっている。
この為、あまりに荷重がかかりすぎると、靴の中で装具が傾く。
*最も丸いおかげで靴の中に装具が簡単に入るとは思うし、足の形がそもそも丸みを帯びている
*ふつうはまずこういう現象は起きないとは思う。
対処方法(短下肢装具に外側フレアをつける方法)
要するに、外側のフレアのように角を作って、丸みをとってしまえばいい。
これから、
外側フレア(みたいなもの)を取り付ければいいというわけである。
効果としては、立位、歩行時の荷重時に装具が傾かない。
外側フレア作成に必要な道具
以下の道具を準備します。
・手びねりプラスチック(どんなものかはこちらのページで紹介しています)
・お湯(ポットのお湯で大丈夫)
・容器(プラスチック以外)
・ガムテープ
・割り箸
・両面テープ
手びねりプラスチックについてはこちらで説明しています。
外側フレアの作成方法
手びねりプラスチックをつけたい部分にまず、ガムテープを貼り付けます。
*手びねりプラスチックを直接つけると、プラスチック短下肢装具とくっついてしまう。おそらくドライヤーで熱を加えれば、剥がれるとは思います。
手びねりプラスチックをお湯で温めて、割り箸で取り出し、必要な量を用意します(使い方は、別ページを参照)
*必要な量は厳密にはこの段階では用意できないので、大体でいいです。
手びねりプラスチックをプラスチック短下肢装具にくっつけて、ガムテープの上に装具を押し付けます。
手びねりプラスチックはすぐに硬くなり始めるので、硬くなる前に次の2点をする必要があります。
1.はみ出ている部分を外側フレアの形に成形する。
*手びねりプラスチックの量が多ければ、再度お湯で温めて、ちぎって減らします。
2.装具の足底面が床と水平になるようにする。
成形して完成です。
たいてい分量などで失敗するので、手びねりプラスチックを何度も温めなおして成形する事になります。
注意点
・作った手びねりプラスチック(外側フレア)は短下肢装具に両面テープで取り付けて、立位荷重や歩行時に装具が傾くことがないか、歩容は悪化していないかをチェックする必要があります。
・しばらく、靴と装具を装着して歩いてもらって、足に赤くなっている部分がないかチェックします。赤みがある時は、赤みがでる原因を調べて、修正をします。
・プラスチック短下肢装具に手びねりプラスチックを直接つけると、装具の保証が受けられない可能性があるので、評価だけして、よければ義士装具士さんに修正の依頼をする方がよいと思います。
補足
・個人的には、外側フレアを追加する事に加えて、踵骨の回内誘導の目的で外側ウェッジを装具に挿入すると、立位や歩行時に荷重がしっかりとかかりやすくなると思います。
装具の色と同じ外側フレアにしたいのであれば、こちらの着色料セットの方がお得です。
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