電流強度-時間曲線(強さ時間曲線)から電流強度とパルス持続時間を設定する方法


電気刺激をして、ある神経線維の活動(脱分極)を促したい!!(実際には筋活動を促したいとか感覚刺激をしたいなどになるが)

では、電流強度とパルス持続時間はどう設定したらよいか、わかるだろうか??

ここでは、電流強度-時間曲線(強さ時間曲線)見方解説すると共に、電流強度パルス持続時間決定方法について解説しています。

電流強度-時間曲線(強さ時間曲線)とは


*Aは、ある神経線維の電流強度-時間曲線という事にしています
 
 
電流強度-時間曲線は、強さ時間曲線やS-D曲線とも呼ばれている。

電流強度-時間曲線とは、ある神経線維を脱分極させる必要最小限の電流強度とパルス持続時間の関係図になる。

具体例を挙げると、上図のA神経線維の赤いグラフのことになる。

神経線維を脱分極させる【最低限】の電流強度とパルス持続時間を調べる方法


電流強度-時間曲線は、ある神経線維を脱分極させる必要最小限の電流強度とパルス持続時間の関係図なので、A神経線維を脱分極させるには、赤い曲線上必要最小限電流強度とパルス持続時間の設定となる。

神経線維を脱分極させる電流強度とパルス持続時間を調べる方法

先ほどの続きになるが、A神経線維を脱分極させるには、この薄緑色の範囲電流強度とパルス持続時間を設定する必要がある。

【実際の治療現場】での電流強度とパルス持続時間の設定方法【動画で解説】

この電流強度-時間曲線を実際に使うとすると、

A神経線維を脱分極させるには、少なくともパルス持続時間は水色以上の範囲の値に設定しなければ、電流強度をいくら上げても脱分極する事がないという事になる。

つまりは、筋収縮も起きない とか 感覚刺激 が起こらない という事になる

なので、臨床的な手順としては、

1.
パルス持続時間を電流強度-時間曲線から読み取り、設定する(電流強度が高くなくても良い場所)。

2.
実際に電極を貼って、電流強度を上げていき、筋収縮や感覚刺激が生じる強度まで電流強度を上げる。

となる。
 
 
*文章だけではわかりにくいので、動画にしてみました。

特定の神経線維のみを脱分極させる方法

特定の神経線維のみを脱分極させたい(筋活動を促したいとか感覚刺激をしたい)場合は、どういう風に電流強度パルス持続時間設定すればいいか?という事になる。

例えば、A神経線維とB神経線維の電流強度-時間曲線があった場合、

B神経線維(感覚神経)を脱分極したいが、A神経線維(運動神経)は脱分極したくない場合がよくある。
⇒言い換えると感覚刺激はしたいが、運動は起こしたくない時(疼痛抑制のTENS)

まず、

B神経線維を脱分極したいので、パルス持続時間は、水色の矢印の領域となる。

がこれだと、A神経線維も脱分極してしまうパルス持続時間の矢印の領域も重複しているので(茶色の領域)

実際は、緑色の矢印の領域のパルス持続時間でなければならないということがわかる。

あとは、そのパルス持続時間で、電流強度を調節(びりびりした感じ)すれば、B神経線維のみを刺激できるということになる。

参考文献

EBM物理療法原著第4版 全編オールカラー [ ミッシェル・H.キャメロン ]
・EBM物理療法原著第3版
標準理学療法学(物理療法学)第4版 専門分野 (Standard textbook) [ 網本和 ]
・色々な勉強会資料

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